あなたのページを消さないで
ウェブで調べ物をしていると、しばしば出くわす 404 Not Found。
このような表示に遭遇した場合、URI の末尾を削って本来のディレクトリより上位にアクセスすると、目的の情報にたどり着けることがあります。しかしこのような試みを行っても、そのサイトから希望したリソースを見つけられることはあまりありません。
常々思うのは、このようにアクセスできないページが発生する、つまり人がページを削除してしまうのは、いったいなぜなのでしょうか。
この理由として考えられるのは、まず企業のサイトなら、そのページに記載のキャンペーン、あるいは商品の販売終了などが考えられます。では個人サイトでは? これは千差万別だと思いますが、おおむね、そのリソースに価値がなくなったとか、以前に書いたのを今になって見られるのは恥ずかしいなどの理由ではないかと思います。まあ、プロバイダから借りているサーバーの残り容量が足りなくなったとか、URI を変更したので削除と見なされ 404 となってしまった場合などもあるとは思いますが。
さて、上記のような理由の中で、サーバー容量やプロバイダ変更などの金銭的あるいは環境的な場合は、致し方ないとは思います。所有者にとって 1 円の得にもならないのに、維持費を払ってまでページの永続は強要できませんので。しかし、それ以外で安易にコンテンツを削除するのは、私はいかがなものかと思うのです。
まずそもそも、そのページに価値がないから削除したなんて、そんなサイト管理者は誰かに面と向かってそのように言われたりしたのでしょうか? おまえのサイトはゴミだ、今すぐ消せ! などと。そうではなく、削除したのはあなたの主観で無価値だと思ったからに他ならないのではないですか? それは大きな勘違いです。
現代は Google に代表される各社の検索エンジンにより、世界中のありとあらゆるサイトから、あなたが今この文章を読んでいるパソコン…それとも携帯電話や PDA? あるいはゲーム機だったり! …とにもかくにも、様々な端末を使って、いつでもどこでも欲しい情報を入手できる時代になりました。あなたも知りたいことは検索して、他人のサイトから得たりしますよね? それはまた、逆のシチュエーションも考えられるのです。あなたが消してしまったページに、検索の結果として得られるはずのリソースを求め、誰かが訪れるかもしれません。つまり、あなたが無価値だと思ったページでも、あなたの見知らぬ人にとっては限りなく貴重な情報である可能性だって否定できないのです。そんな、もしかすると、あなたのサイトが誰かの道しるべになる可能性。それをつみ取ってしまうのは、とてももったいないことではないかと、私は思います。
それでは、恥ずかしいからページを削除するというのは? これも望ましくない行為だと、私は思います。だって、そんな後から恥ずかしいと思うようなページなら、最初から公開しなければいいじゃないですか。それこそチラシの裏にでも書けばいい。そうではなく、その時はよかれと思って公開した…でも、今さら過去の稚拙な日記や blog など見られたくない? いいじゃないですか、もっと前向きに考えましょうよ。過去を悔やめるのは、それだけ自分が人間として成長した証なのですから。何を隠そう、私だって日々 blog を書いては悔やみ、時には後から加筆訂正を加える日々を送っています。けれども、人生ってそんなものじゃないでしょうか。今日の自分は、昨日までの後悔の上に成り立っている。だから私はその記録を今後は削除せず、可能な限り維持したいと思っています。思い出せば赤面するような出来事も、悩んでいた日々も、自分という歴史の、文字通り貴重な 1 ページなのですから。
誰もが情報を発信できる時代になった反面、ネット上の情報の 9 割はゴミ、という話は、Web 2.0 なんて言葉がもてはやされる以前より言われてきました。でも、人類は地球上に 60 億も存在するのです。あなたを含む 59 億 9,999 万人にとってはゴミであっても、もしかしたら明日にも見知らぬ 60 億のうちの 1 人が、あなたの公開したページで人生のヒントを見つけるかもしれない。それって、ちょっとすてきだと思いませんか? そして何より、あなたが公開したページは、多かれ少なかれ自身の時間と労力を割いて生み出したものであるはずです。確かにファイルの所有者はあなた、生かすも殺すもあなた次第…それは事実です。でも私は、そうやって生み出された子供たちを、保護者のみなさんには大切にしてもらいたい。できが悪くても、未熟でも、ネットという社会に飛び出した我が子を見守ってやって欲しい。そして、リンク先や検索結果に、これ以上の不幸な 404 が発生しないことを願いたいのです。
サイト管理者のみなさん。あなたが削除しようと思ったページは、ご自身で思ってるよりもずっと大きな価値を持っています。どうか、そのあなたの 1 ページを、大切にしてあげてください。
- Posted at 18:00:02 in Internet
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